有機化学

【バージェス(Burgess)試薬】穏和な条件でアルコールを脱水してアルケンに変換

バージェス試薬(Burgess Reagent)は穏和な条件下、アルコールを脱水してアルケンへと変換することができる試薬です。

バージェス試薬(カルバミン酸メチル-N-(トリエチルアンモニウムスルホニル))は、第二級または第三級アルコールを脱水してアルケンへと変換することができます。

脱離反応はシン選択的に進行し、立体特異的に多置換アルケンを合成することができます。

酸や塩基を添加するような他の脱水反応と比べ、Burgess試薬は中性・低温といった穏和な条件下でアルコールの脱水反応を進行させることができます。

そのため、酸性条件下で転位しやすい反応基質においても適用可能です。

さらにはアルケン、アルキン、アルデヒド、ケトン、アミド、エステル、アセタール、エポキシド、ハロゲン化アルキルなどの様々な官能基が共存しても用いることができます。

反応機構

  1. アルコールがBurgess試薬と反応し、スルファミン酸エステル中間体を生成します。
  2. 窒素アニオンが隣接炭素のプロトンを引き抜き、立体特異的なシン脱離が進行し、アルケンが生成します。

Burgess試薬はクロロスルホニルイソシアネートにメタノールを作用させ、カルバミン酸メチル誘導体にした後、トリエチルアミンを作用させることで調製することができます。

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うしとよ ushitoyo
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東京在住のアラサー男。 雑記ブログ。
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