ファイスト-ベナリー フラン合成(Feist-Bénary Furan Synthesis)は、塩基性条件下β-ケトエステルとα-ハロケトンの脱水縮合によりフランを合成する手法です。
塩基性条件で最初に単離されるのはジヒドロフラノールでありますが、これを酸性処理することで脱水反応が進行して置換フランを合成することができます。
水素化ナトリウム(NaH)、ナトリウムアルコキシド(NaOR)、水酸化ナトリウム(NaOH)、トリエチルアミン(Et3N)などの塩基がβ-ケトエステルの脱プロトンに用いられます。
反応機構
- 塩基がβ-ケトエステルのα-プロトンを引き抜き、エノラートが形成します。
このエノラートがα-ハロケトンのカルボニル基に求核付加することでアルドール反応が進行します。 - プロトン移動により安定なエノラートとなり、これが分子内SN2反応によってα-ハロゲン原子を置換して環化します。
- 最後にジヒドロフラノールを酸性処理することで脱水反応が進行し、四置換フランが生じます。
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